補助金・助成金

小規模事業者持続化補助金(通常枠)でトイレの改装が採択された話

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こんにちは。そうさんです。

今回は小規模事業者持続化補助金で、自社のトイレを洋式に改装する費用50万円を受け取れた話をしたいと思います。

伝えたいことは採択率60%程度の本補助金で、「現状分析→課題抽出→対策(補助金事業)→効果」をしっかり示すことが出来れば、例え事業内容がトイレの改装でも採択されるということです!

というのも、過去の採択事例では、Webマーケティングや新サービス開発等、私から見ると正直ハードルが高そうなものばかりで、トイレ改装での申請なんて採用されないかも・・と思っていたからです。

なので、現状少しでも会社に課題・問題認識を持っている方の背中を後押ししたい願いを込めて、当社の事例を紹介したいと思います!

※申請の細かな手続き方法等は、以下リンクに丁寧な説明・資料があるため、あえて本記事では記載しません。私が申請した際は、地域の商工会ご担当者に多大なサポートをいただき、手続きで問題は発生しませんでした(診断士になったので地域貢献で恩返し予定・・・)。

参考【令和5年度補正予算】小規模事業者持続化補助金

商工会地域の総合サイト   →
商工会議所地域の総合サイト →
公募要領          →

小規模事業者持続化補助金ってなに?

小規模事業者および一定要件を満たす特定非営利活動法人(以下「小規模事業者等」といいます。)が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス制度の導入等)等に対応するため、小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とします。

本補助金事業は、小規模事業者自らが作成した持続的な経営に向けた経営計画に基づく、地道な販路開拓等の取組(例:新たな市場への参入に向けた売り方の工夫や新たな顧客層の獲得に向けた商品の改良・開発等)や、地道な販路開拓等と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。

全国商工会連合会~持続化補助金を知る~
そうさん
そうさん

補助金が得られるのは助かるし、経営計画の策定にあたって、自社の経営を改めて見直すとてもいい機会になりました!
私の申請時は50万円が上限でしたが、現在はインボイス登録業者は100万円まで上限が増えています!

申請から交付・事業終了までの流れ(直近の公募例)

小規模事業者持続化補助金はこれまで3か月前後の頻度で、15回公募がありました。

私が感じた主な注意点は
①事業の採択が得られる前に業者への支払等をしてしまうと補助金が交付されないこと
②商工会・商工会連合会で請求方法が違うため、事前確認が必要なこと
の2点でした。

全国商工会連合会~持続化補助金を知る~

申請内容

【事業名】
 洋式トイレへの改修による高齢・ファミリー顧客の維持・獲得

【方針・目標】
 当社の強みである「安心」「清潔」を軸に、当社認知度の向上と新規顧客の獲得・維持に取り組み、本店の油外サービス販売額を1年間で5%向上させ、売上額の減少に歯止めをかけることを目指す。

【背景】
 新型コロナウイルスのまん延、原油価格高騰に伴い、従来の顧客から得られる収益が減少している実態がある。 
 燃料販売で得られる収益は売値の〇%(1ℓあたり〇円程度)であり、クレジット決済利用時のカード手数料2%(160円で販売時は3.2円)等を加味すると、原油価格が上がるほど利益額は更に減少することになる。
 今後、ガソリン需要が減少することも踏まえると、燃料販売だけでなく、油外サービス販売に力を入れる必要がある。

【現状】
 セルフスタンド化により、以下の表のとおり来店台数は増加傾向にあるものの、特に洗車において客単価の減少が目立っている。

【具体的なプラン】
a.トイレの改装
 顧客ニーズの項目で記載した通り、昨今高齢者・ファミリー顧客から油外サービスの依頼を受けるケースが増えている。
 作業中は1回の来店でスピーディーに全てのサービスを完結する体制のもと、事務所内で待機していただくことが多い。その場合は店舗滞在時間が長くなるため、トイレの利用機会が高まる。しかしながら、当社は男女共に和式便器のため、顧客より「足腰が悪いので利用することが難しい」「子供が和式便器に慣れていないので近くにコンビニ等はないか」と申し出を受け、満足いただけないケースが発生している。
 上記の課題に対応すべく、洋式トイレへの改装を行うことで、昨年実施した事務所の改装と共に、清潔で便利なガソリンスタンドというイメージを向上させる
 既存顧客は店舗滞在時間を長くすることで客単価向上を目指し、新規顧客は主婦やファミリー層を中心とした獲得を目指す。

b.新型洗車機の導入
 9月に新型洗車機を導入した。伴って販売促進のPOP(のぼり・ポスター)を店頭に出し、声掛けも併せて行うことで認知度の向上・新規顧客獲得を目指している。
 また、新たにお得に購入できるプリペイドカードの販売を開始し、専用アプリを用いて、割引キャンペーンを実施している。

・新型洗車機POP画像

【補助事業の効果】
 誰でも気軽に利用できるトイレに改装することで、店舗に長時間滞在する障壁を無くし、給油以外のサービス販売増加を見込む。
 現在は平均して給油顧客の10台に1台程度がトイレを使用している。また、オイル・タイヤ交換等の長時間作業時には、半数近い顧客がトイレを利用している。
 その中で、上述の通り、高齢者や子供の顧客を中心に和式トイレの利用が困難という申し出を受けており、リピーター獲得の障害となっている。 実施間近の新型洗車機導入を起点とした取り組みと合わせて、トイレ改装も行うことにより、既存顧客の店舗滞在時間増加、新規顧客のリピート率向上による油外サービス販売の改善を目指し、1年間で本店の油外サービス売上5%増を実現したい。

そうさん
そうさん

既存顧客の高齢化・ファミリー層(子供)の増加という「現状」から、トイレの不便さから長期滞在しづらいという「課題」を認識。
「対策」として洋式トイレへ改装をし、油外サービス売上向上という「効果」を狙う。という組み立てにしました!

せんぱい
せんぱい

トイレの改装でどれくらい店舗滞在時間が伸びたか、売上向上したかを定量的に把握することは難しそうだけど、ロジックが通っていれば問題ないのね!

そうさん
そうさん

そうですね!もちろん定量的に評価できた方がPDCAも回しやすいしベストだと思います。ただ経営者とお客様との距離が近い小規模事業者だからこそ感じ取れるダイレクトな反応も大切かなと思います!

まとめ

当社の小さな課題認識から申請してみた補助金でしたが、自社の経営状況を見直す機会にもなり、とてもよい経験になりました。
現在会社に何かしらの課題認識をお持ちの方は、是非トライしてみることをおすすめします!

ちなみに、今回紹介した小規模事業者持続化補助金は、中小企業診断士の勉強中に申請しました。
申請自体は自分でも問題なくできましたが、客観的に自社の「現状把握」「課題認識」を行うことは、自分の力だけでは難しいと感じました。
また、そこから考える「対策」も、客観的・多様な意見を取り入れた方がよりブラッシュアップされたと思います。

中小企業診断士業務の補助金支援は、経営者の肌感覚・想い×診断士の客観的な分析・意見によって最善の戦略を生み出すことなのかなと感じた経験になりました。

私自身は今後診断士活動を行うにあたり、常に経営者・診断士それぞれのスキルを磨いていきたいと思います!

ABOUT ME
そうさん
そうさん
中小企業診断士×宅建士
損害保険会社で7年間勤務後、家業のガソリンスタンドへ転職。経営を学ぶべく中小企業診断士を取得し、「負けない」中小企業経営を目指して奮闘中。家庭では共働きの妻と、子2人の育児に奮闘中。
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