最大200万円!小規模事業者持続化補助金 第18回【2025年最新ガイド】

こんにちは、そうたろうです。
家業であるガソリンスタンド(スモールビジネス)を経営しながら、日々中小企業の支援に取り組んでいます。
自社で小規模事業者持続化補助金(第9回公募)に採択された実績があり、さらに事業再構築補助金・省力化投資補助金・ものづくり補助金など他の主要な補助金申請も経験してきました。
その経験から、本記事では「小規模事業者持続化補助金(第18回公募予定)」について、スモールビジネスや家業を営む方向けに最新情報とノウハウを徹底解説します。

小規模事業者持続化補助金とは?目的と概要
まず、「小規模事業者持続化補助金」とはどんな制度なのでしょうか?
これは中小企業庁(経済産業省)傘下で実施されている小規模事業者向けの国の補助金制度です。
小規模事業者(後述する従業員数などの要件を満たす小さな企業や個人事業主、一定要件のNPO等)が対象で、販路開拓(売上アップのための新たな取り組み)や生産性向上(業務効率化)の取り組みにかかる費用の一部を国が支援してくれます。
制度の目的は、昨今のインボイス制度導入や働き方改革、賃上げ対応など経営環境の変化に直面する小規模事業者が、それらに対応しつつ地域の雇用や産業を支える存在として生産性向上と持続的発展を実現することにあります。
補助上限額と補助率

一般的な「通常枠」では補助金の上限は 50万円、補助率は経費の 2/3(66.7%)です。
つまり最大50万円までは支出した2/3が補助されるイメージです(75万円使うと50万円補助)。ただし2023年度以降、条件によっては上限額が引き上げられています。
例えばインボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)であれば上限+50万円(通常枠50万円→最大100万円)となりますし、賃上げ枠(一定の賃上げ要件を満たす事業者向け)では上限200万円の枠もあります。
他にも複数の特別枠が用意されていますが、家業・小規模企業の方であればまず通常枠またはインボイス枠が該当するケースが多いでしょう。
対象となる事業者(応募資格)
小規模事業者持続化補助金の応募資格として、「小規模事業者」であることが必要です。小規模事業者の定義は業種ごとに常時使用する従業員数で決まっており、例えば以下の通りです。
- 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く):5人以下の従業員
- 宿泊業・娯楽業:20人以下の従業員
- 製造業その他:20人以下の従業員
個人事業主の方も上記従業員数条件を満たせば対象になります。
家業としてご家族で経営されている店舗などは、従業員計算上は家族従業者も含める点に注意しましょう(常時雇用であれば人数に入ります)。
また上記の小規模事業者に該当すれば、法人格は問いません。株式会社や個人事業主はもちろん、特定非営利活動法人(NPO法人)でも一定の要件を満たせば応募可能です。
ほとんどの町の小さな会社やお店、創業間もない事業者、後継ぎとして家業を継いだ方などに広く門戸が開かれた制度と言えるでしょう。
補助金の使い方の特徴
この補助金は事前交付ではなく後払いです。
採択・交付決定を受けた後、自社で計画に沿った事業を実施し、お金を支払って完了報告をしたのちに補助金が交付されます。
そのため、一旦は自己資金で支出を賄う必要があります。また事業実施期間(交付決定から翌年の実績報告期限まで、約1年弱程度)内に支出した経費しか補助対象になりません。採択が決まる前に発注・支払いをしてしまったものは補助対象外になるので注意が必要です。
計画より先走って設備を買ったり工事をしてしまうと、せっかく採択されてもその費用は補助金ではカバーされません。この点は特に気を付けましょう。
第18回公募に向けた最新情報
予測スケジュールと事前準備
2025年現在、次の「第18回公募」はいつ実施されるのでしょうか?
第17回公募(通常枠)は2025年5月1日に公募開始~6月13日締切で実施されました。
✅予想される第18回公募スケジュール(通常枠)
- 公募開始時期(予想):2025年7月~8月頃
- 電子申請受付締切(予想):2025年8月下旬~9月中旬頃
- 採択結果発表:締切から約2~3ヶ月後(予想)
- 補助事業実施期間:第17回では翌年7月末までだったため、第18回も交付決定日から約1年後までと推定
※正式な日程は中小企業庁や事務局の発表をお待ちください。
第17回では公募要領の公開が3月上旬、申請受付が5月初頭、締切が6月中旬というスケジュールで、例年より準備期間が長めに取られていた印象です。
現時点(2025年6月)で公式には未発表ですが、過去の傾向や他の補助金の動きを踏まえると、第18回公募は2025年7月~8月頃に開始され、8~9月頃に申請締切となる可能性が高いと予想されています。
実際、補助金専門メディア等でも「第18回はおおよそ7月~8月開始、締切は8月下旬~9月中旬になる見込み」と報じられています。
2025年度は年間で通常枠の公募が3回程度行われる見通しであり、第17回(初夏)→第18回(夏~初秋)→第19回(秋~冬)のように3~4ヶ月おきに締切が設定されるスケジュールが想定されます。
もし第17回に間に合わなかった方も、今年度中にあと2回チャンスがあると考えればまだ十分に挑戦できます。
上記はあくまで予測ですが、実は2025年度の補助金運用の特徴として、「切れ目なく公募を続ける」傾向があります。他の補助金例でいうと「中小企業省力化投資促進補助金」が4月末に第1回締切、5月末に第2回締切と連続して公募されたケースもありました。
持続化補助金についても同様に、前回締切後あまり間を空けず次回公募が始まる可能性があります。ただし持続化補助金は事業者が自ら経営計画を策定するプロセスが重視されているため、あまりにタイトなスケジュールにはならず一定の準備期間は確保されるのではないかとも考えられています。
申請方法と事前準備のポイント(GビズIDなど)
第18回公募に向けて、今からできる準備もチェックしておきましょう。最近の公募では申請は原則として電子申請(オンライン)で行う形に移行しています。
具体的には、政府の補助金ポータルサイト「jGrants(ジェイグランツ)」を通じて申請書類を提出します。
紙での郵送申請は現在受け付けていない点に注意してください。
電子申請の場合でも事前に商工会/商工会議所での確認書類取得など手順はありますが(後述)、基本はネット上で完結します。24時間いつでも提出でき便利です。
その電子申請に必要なのが「GビズIDプライム」と呼ばれるアカウントです。
これは法人・個人事業主を対象にした政府共通の認証IDで、jGrantsにログインするために必須となります。まだ取得していない方は、必ず事前に取得しておきましょう。
GビズIDの取得申請には数日~数週間かかる場合があります(特にマイナンバーカードが無い場合は紙郵送の手続きが必要で時間を要します)。
「公募が始まってから慌てて申し込んだら締切に間に合わなかった…」という声も多いので、早め早めの登録をおすすめします。
商工会・商工会議所との連携も重要! 小規模事業者持続化補助金では、申請にあたり最寄りの商工会議所または商工会から発行される「事業支援計画書」(様式4)を提出する必要があります。
これは事業者が作成した経営計画書に対し、商工会/会議所が「一緒に伴走支援しますよ」という確認を書いてくれる書類です。
各公募回ごとに様式4の発行締切日が設定されており、本申請締切日の概ね10日前前後に締め切られるのが通例です(第17回では締切6/13に対し様式4締切6/3でした)。
したがって、申請を考えているなら締切日の2~3週間前には地元の商工会議所等に相談に行き、様式4を依頼しましょう。
普段会員でなくても相談・発行対応してもらえますので遠慮なく訪ねてみてください。
商工会議所・商工会の担当者から計画書の書き方アドバイスももらえますし、結果的に採択率アップにもつながります。
そのほか事前準備として、以下のポイントも押さえておきましょう。
- 申請類型の整理
自社がどの枠で申請するのか事前に確認しておきます(通常枠50万円か、賃上げ枠200万円か、インボイス枠+50万円か等)。該当する類型によって用意すべき追加書類(例えば賃上げ枠なら賃上げ誓約書など)が異なります。 - 補助事業の内容整理
「何にいくら使いたいか」「それが事業にどう役立つか」を箇条書きでも良いので今のうちに書き出してみましょう。
そうすることで、後で経営計画書を書く際にスムーズになります。 - 必要書類の把握
申請時に必要な書類(経営計画書や補助事業計画書の様式、見積書やカタログ、決算書類、宣誓書類など)の一覧を公募要領で確認し、早めに準備に取りかかりましょう。
特に設備購入の見積書は複数業者から取り寄せるのが望ましいため時間がかかります。
以上の準備を進めておけば、いざ第18回公募が発表されても慌てずに済むでしょう。
「第17回に間に合わなかった…」「まだ計画が固まっていない…」という方も、今からしっかり準備を始めれば次回第18回で採択される可能性を大いに高められます。
持続化補助金は創業間もない方や新しいチャレンジをしたい小規模事業者にとって相性の良い制度です。このチャンスを是非活用しましょう!
補助対象となる経費・対象外の経費
補助金申請において「何に使うお金なのか」は最も重要なポイントです。計画の中で補助金で賄う経費を明示しますが、補助の対象となる経費でなければ補助金は下りません。
せっかく計画を練っても、対象外の経費が含まれていると減点や不採択につながる恐れもあります。
ここでは、小規模事業者持続化補助金の対象経費の範囲と対象外となるものについて正確に解説します。
補助対象となる経費(11の経費区分)
持続化補助金<一般型>では、補助対象となる経費の区分が8種類定められています。
簡単に言えば、販路拡大や生産性向上につながる取組みに必要な経費がカバーされます。以下に主な経費区分を列挙し、それぞれどんな使途が該当するか簡単に説明します(幅広い経費が対象ですが、細かな要件もあるため計画時には公募要領の原文も確認しましょう)。

- 機械装置等費
補助事業の遂行に必要な機械装置やシステム、ソフトウェアの購入費用。例えば新サービス提供のための機械導入、生産効率向上のための設備購入などが該当します。ソフトウェアの場合は利用期間按分など条件があります。基本的に事業計画に直接関係する設備投資のみで、通常業務の老朽化更新は含まれません。 - 広報費
販路開拓のための広告宣伝費です。具体的にはチラシやパンフレットの作成・発送費用、看板の設置費用、新聞・雑誌・インターネット広告の出稿費などが該当します。会社案内や名刺の作成のみといった販促目的が不明確なものは対象外になるので注意しましょう。 - ウェブサイト関連費
ホームページやECサイトの構築・改修、ウェブ広告の出稿費用など、Webを活用した販路開拓にかかる経費です。例として商品販売サイトの新規制作や、サービス内容をわかりやすく伝えるSEO対策なども対象となります。
※なおウェブサイト関連費は補助対象経費全体の1/4(25%)までという上限があります。WEB施策に集中投下しすぎることのないよう留意しましょう。 - 展示会等出展費
商談会や展示会への出展費用です。出展ブース料、展示用資材費、パンフレット作成、サンプル製作費、当日の人件費、通訳費など幅広く含まれます。
ただし単なる業界内の審査会参加費や、飲食を伴う交流会費用など販路開拓の趣旨に合わないものは対象外です。 - 旅費
補助事業計画に基づいて販路開拓等を行う際の交通費・宿泊費。例えば展示会出張や市場調査のための旅費が該当します。公定の旅費規定に準じた経費のみ認められ、航空券はエコノミークラスまでなど制限があります。
日当やレンタカー代、ガソリン代、駐車場代などは基本対象外です。 - 開発費(新商品開発費)
新商品の試作品開発やデザイン費、製造・加工費など、新商品・新サービスの開発にかかる経費です。試作品の材料費や外注加工費、パッケージ試作費などが該当します。
試作段階で余った材料費や、開発途中のまま販売してしまうようなものは認められないので注意しましょう。 - 借料(レンタル料・リース料)
補助事業に必要な機器や設備を購入ではなくリース/レンタルした場合の費用です。例えばイベント用備品をレンタルした費用などが該当します。
補助事業期間内の利用料のみが対象で、期間外の長期契約分は不可です。 - 委託費・外注費
上記に当てはまらない業務で、補助事業の一部を外部に委託・外注する費用です。例としては店舗改装工事費やバリアフリー化工事費、経営コンサルタントへの依頼費用、デザインの外注費などが挙げられます。
ただし自社で実施できる業務や成果物が申請事業者に帰属しないもの(例:他社の資産になるもの)は補助対象になりません。
以上、8区分に分けて説明しましたが、要するに「販路開拓や生産性向上のために必要な経費」であればかなり広範囲に補助対象となるということです。
例えば 「新サービス提供のための試作機導入」「チラシ・カタログの外注印刷と郵送」「商品販売用のホームページ制作とSEO対策」「展示会への出展費用」「アルバイトや外部専門家への謝金」など様々なケースで活用できます。
目的が明確に販路拡大等であれば用途を問わず柔軟に使えるのがこの補助金のメリットです。
補助対象外の経費とその理由
一方で補助の対象とならない経費も明確に定められています。基本的な考え方としては、「補助事業の目的に直接関係ないもの」や「汎用性が高く目的外の用途にも使えてしまうもの」は対象外となります。
具体例を挙げると、以下のようなものは補助金では支払えませんので注意してください。
- 自動車・バイク・自転車などの車両本体購入費(移動販売車等も、よほど明確な必要性がない限り難しいです)。
- パソコン、タブレット、スマートフォン、汎用の事務機器(事業と無関係に転用できてしまうため)。
- 文房具などの消耗品費、日常経費(通常の事業活動で発生する経費は補助対象外。例えば電気代や通信費、家賃、人件費(従業員給与)などは対象になりません)。
- 汎用的なソフトウェア利用料(Officeソフトや会計ソフト等、補助事業だけのためでないソフトの購入費は不可。ただし必要な期間分を按分計上する等の条件付きで認められる場合あり)。
- 単なる老朽化による設備交換費(古くなったから新しい機械に買い替えたい、というだけでは生産性向上策と認められず対象外)。
- 土地・建物の取得費(建物そのものを建てる・買う費用は対象外。店舗の一部改装や設備設置工事費はOKですが、建物本体購入はスキーム外です)。
- 公序良俗に反するもの、違法なものは論外ですがもちろん対象外です。
また、支払い方法にも制限があります。補助金のルールでは、10万円以上の支出は銀行振込が原則であり、現金払いしたものは補助対象と認められません。
例えば設備費50万円を現金で支払った場合、領収書があっても補助金対象外になるので必ず振込で支払いましょう。さらに、補助対象経費で購入した設備や備品について転売禁止期間が設定されていたり、取得財産管理のルールもあります(補助金交付後5年間は勝手に処分できない等)。
これら細かな制約については公募要領の「補助対象外経費」や「留意事項」の章に詳しく書かれているので、申請前に一読することをおすすめします。
小規模事業者による具体的な活用事例【業種別】
「持続化補助金でどんなことができるのか、イメージが湧かない…」という方のために、実際の小規模事業者の活用事例をいくつかご紹介します。
第13回(2023年締切分)の採択事例一覧などを参照すると、本当に多種多様な業種・事業内容で補助金が活用されていることが分かります。
ここでは業種ごとに代表的な例をピックアップしてみます。ぜひ自社の業態に近いものがないか参考にしてください。
- 小売業・飲食業
店舗の改装や新商品の提供に活用する例が多く見られます。例えば、ある和菓子店では「新客層獲得のための店舗改装とパッケージデザイン刷新」を行い、店内レイアウト変更や商品パッケージリニューアル費用に補助金を充てました。
また飲食店では厨房設備の導入による業務効率化&HP作成による販路拡大(飲食店「PURE DINING」の事例)など、設備投資と広報を組み合わせて売上アップを狙うケースもあります。
他にも、老舗酒販店が日本酒を鮮度管理できる冷蔵ショーケース導入と店舗改装により集客力向上を図った例、狭小な飲食店が昇降機(リフト)を導入して宴会受注を楽にし売上増を目指した例などもありました。 - サービス業(美容・リラクゼーション・教育など)
サービス業では新サービス導入や設備導入による事業拡充が目立ちます。
例えば美容サロンでは「AIを搭載した肌診断機と新メニュー開発」を行い、高性能美容機器の導入費用とそれをPRする経費に補助金を活用しました。
リラクゼーションサロンでは施術室の増設と人材確保で生産性向上を図る取り組みが採択されています。
また学習塾や英会話スクールがウェブ広告や看板設置によって生徒募集を強化した例、スポーツジムが脱毛サービスを新たに導入して売上増加を狙った例など、新サービス追加による客単価・客層拡大に補助金を使うパターンも見られます。 - 製造業・建設業等(製品開発・設備投資)
小規模な製造業者でも、持続化補助金を使って新製品の開発や生産体制の強化に取り組んでいます。
ある製造業者は「半導体生産設備向け石英ガラス機器の開発と生産体制整備による事業拡大」という壮大なテーマで試作開発費や設備導入費を補助金で賄いました。また町工場が自社の強みを生かした新商品開発&販路開拓に挑戦したり、金属加工業者がホームページ刷新と機械導入で販路拡大を目指す事例もあります。
建設業関連では、ある測量建築会社が認知度向上のための看板設置や事務所への誘導案内整備を行い、地域での受注拡大を図ったケースもありました。
製造業や建設業のように直接「販売」には繋がりにくい業態でも、自社技術のPRや新事業への設備投資といった形で十分活用できています。 - 農業・林業・農商工連携
農家や農産品ビジネスでも採択事例があります。例えば蓮根農家さんが「産直所を改装して子供連れ家族も楽しめる体験型販売施設を実現」というプロジェクトを行い、直売所の改装費用を補助してもらっています。
また果樹園が収穫体験イベント用の設備導入や加工品販売のための自動販売機設置で販路拡大を図った例も見られます。一次産業でも観光農園化や商品開発といったチャレンジに活用できるのがこの補助金の良いところですね。 - その他
上記に当てはまらない業種でも多彩な事例があります。例えば「不用品回収業のサービス販売促進」、「高齢者向け草刈りサービスで地域の景観維持」、「技能実習生向け研修ビジネスの新規展開」など、アイデア次第で様々な事業が補助対象になり得ます。
また看板設置やチラシ配布で認知度アップといった基本的な販促強化策も数多く採択されています。
繰り返しになりますが、重要なのは事業目的が明確に販路拡大や生産性向上につながっていることです。そこさえブレなければ、「こんな小さなことに使っていいの?」と思うような内容でも採択のチャンスがあります。
◆ 自社の採択事例紹介:和式トイレの洋式化&表示整備
最後に、私自身の会社(家業)で持続化補助金を活用した事例をご紹介します。実は当社(ガソリンスタンド)も第9回公募で持続化補助金に採択され、「和式トイレを洋式トイレに改修し、顧客案内表示を整備する」という取り組みを実施しました。
ガソリンスタンドとトイレ改装、一見地味な組み合わせですが、きちんと現状の課題と対策効果を示すことで採択を勝ち取ることができた好例だと思っています。

計画の概要を簡単に説明します。
当店ではセルフサービス化等により来店客数自体は増加していたものの、高齢のお客様やお子様連れのご家族から「和式トイレは使いづらい」との声があり、給油や洗車の待ち時間にトイレを利用できず不満が生じていました。
せっかく洗車やオイル交換でお待ちいただいても、トイレの不便さが原因で早々に帰られてしまったり、場合によっては「近くにコンビニはないか」と店外に出てしまうケースもあったのです。
これは顧客の店舗滞在時間を短くしてしまい、結果として追加サービスの利用機会を逃すという課題でした。
そこで補助金を活用して和式トイレを洋式トイレへ改装し、ついでに場内の案内表示も高齢者や子供にも分かりやすく整備することにしました。
これにより「清潔で便利なガソリンスタンド」というイメージアップを図り、既存顧客には快適に長居してもらって客単価向上、新規顧客は主婦やファミリー層を呼び込む狙いです。結果的にこの計画は持続化補助金の趣旨に合致する販路開拓・サービス改善の取組みとして評価され、無事に採択されました。
地道な現状分析から課題を抽出し、それを解決する対策と効果を示せば、トイレ改修のような身近な改善でもしっかり採択されることを実感しました。
実施後は、トイレが洋式化されたことでお年寄りのお客様にも大変喜ばれました。「これで安心して孫も連れて来られるわ」といった声もいただき、リピーターの維持・獲得に確かな手応えを感じています。
このように、小さな課題でも補助金をうまく活用して解決し、事業の持続発展につなげることが可能です。「うちの会社の悩みなんて些細だから…」と尻込みせず、ぜひチャレンジしてみてください。
採択率を上げる!計画書作成のコツとポイント
「補助金をもらうには計画書の出来が全て」と言っても過言ではありません。では、どんな計画書を書けば採択率が上がるのでしょうか? ここでは、中小企業診断士の視点と自身の経験から事業計画書・補助事業計画書作成のコツをまとめます。
現状・課題・対策・効果を一貫したストーリーにする。
計画書には経営状況や事業概要を書くパートがありますが、最終的に「だからこの補助事業(対策)が必要で、実施するとこう効果が出ます!」という筋の通ったストーリーになっていることが大切です。
例えば前述の当社事例では、「高齢化・ファミリー顧客増(現状)→和式トイレの不便さで長居しづらい(課題)→洋式トイレへ改装(対策)→滞在時間増で売上向上(効果)」という組み立てにしました。
このように課題解決策として補助事業の位置付けが明確**であれば、審査員にも伝わりやすくなります。「なぜそれをやるのか?」「本当に必要なのか?」という視点で第三者に突っ込まれても一貫して答えられる内容にしましょう。
事業目的を補助金の趣旨とマッチさせる。
持続化補助金の目的は先述の通り販路開拓や生産性向上による事業の持続発展です。
計画書には事業の目的・目標を書く欄がありますが、そこにこの補助金の趣旨に沿ったキーワードを盛り込みましょう。単に「売上を上げたい」「お店をきれいにしたい」では弱いです。
「○○な新規顧客を獲得する」「△△作業の効率を高めて収益性を改善する」など、具体的かつ明確な目的を記載します。
国の施策(例:インボイス対応、賃上げ、人手不足解消など)と絡められるとベターですが、無理にこじつける必要はありません。
数値目標や具体的な成果イメージを示す。
計画には定量的な目標を書くことも大切です。例えば「●●を導入して作業時間を30%短縮し、人件費△円削減を目指す」「新商品発売で来年度売上を○万円増やす」などです。無論、絶対達成しなければいけないものではありませんが、数字があると計画の説得力が増します。
定量的に表しにくい効果であっても、「月◯人だった新規問い合わせを倍増させたい」等、自社なりのKPIを設定してみましょう。また必要に応じて写真や図表を盛り込んで視覚的に伝えるのも有効です。
要点を押さえ簡潔かつ見やすく書く。
審査員は多数の応募書類に目を通します。ダラダラ長文より、ポイントを絞って簡潔に書く方が伝わりやすいです。箇条書きも積極的に使いましょう。文章を書くのに慣れていない方でも、箇条書き形式なら要点を整理しやすいですし、読み手にとっても頭に入りやすいです。
文字数に制限は基本的に無い(様式2-1の各項目は字数制限なし)ので、まずは思いつくことを箇条書きで大量に書き出し、あとで不要部分を削ったり統合したりすると良いでしょう。
完成したら第三者の視点で読み返し、「論点がぼやけていないか」「主張が散らかっていないか」をチェックしてください。
書類不備は厳禁、締切は厳守!
基本中の基本ですが、書類の不備や提出漏れがあると即失格となる場合もあります。
例えば押印忘れ、必要書類の添付漏れ、様式間の数字不整合などです。電子申請の場合もファイル形式の指定違反やアップロード忘れがないように注意しましょう。
締切時間も厳守です。電子申請は締切日時を1秒でも過ぎると受け付けてもらえません。余裕を持って前日までには提出するくらいの心構えでいましょう。
商工会・商工会議所の職員や専門家の意見を仰ぐ。
自分一人で悩まず、積極的に周囲のサポートを活用しましょう。特に商工会議所や商工会は申請の窓口でもあり、希望すれば事前に計画書を読んでアドバイスをくれます。
客観的な視点で見てもらうことで「ここが伝わりにくい」「こう書き足せば加点できる」などの気づきが得られるはずです。また、お付き合いのある中小企業診断士や支援機関があれば相談してみるのも良いでしょう。
私自身、自社申請をしたときに感じたのは「自社の現状や課題を客観的に分析するのは難しい」ということでした。外部の意見を取り入れることで計画のブラッシュアップが進むことは間違いありません。
以上のポイントを押さえて計画書を作成すれば、採択率60%前後とも言われるこの補助金においてグッと有利になるはずです。
実際、「書類をきちんと整えたら思ったよりあっさり通った!」という声も多く聞きます。採択・不採択の通知とともに簡単な得点や講評がフィードバックされるので、もし一度落ちても改善点を踏まえて次回再チャレンジすることも可能です(何度応募してもOKです)。ぜひできる対策は全て講じて、高得点計画書を仕上げてください。
まとめ:補助金を活用してスモールビジネスの一歩を踏み出そう
小規模事業者持続化補助金(第18回公募予定)について、その概要から活用ポイントまで解説してきました。最後に、本記事の重要ポイントを簡潔に振り返ります。
- 持続化補助金は小規模ビジネスの強い味方!
販路開拓や生産性向上の取組みに対し、最大50~100万円(条件により更に増額)の補助が受けられます。家業や創業間もない事業でも採択実績多数。まずは臆せずチャレンジを。 - 第18回公募は2025年夏~初秋か?
第17回を逃した方も、次回公募がすぐにやって来ます。7~8月開始・8~9月締切と予測され、年間3回程度の公募チャンスがあります。今のうちから計画づくりと必要準備を進め、次の募集に備えましょう。 - 対象経費を正しく理解
補助金で使える経費は機械装置、広報費、開発費など多岐にわたります。逆に車両や汎用PC、日常経費など対象外のものもあります。公募要領をチェックし、計画に盛り込む経費がルールに適合しているか確認を。 - 幅広い業種で活用可能
店舗改装から新サービス導入、広告宣伝、IT活用まで、全国の採択事例を見れば実に様々な小規模事業者が恩恵を受けています。
自社と同じ業界の成功例がないか探し、計画のヒントにしましょう。地道な取り組みでも工夫次第で十分採択されることは、自社のトイレ改修事例でも実証済みです。 - 計画書作成のコツ
ストーリー性(課題と対策が一直線に繋がるか)、補助金の趣旨との合致、数値目標の提示、簡潔で見やすい文章、不備ゼロ・期限厳守など、基本を徹底しましょう。商工会議所等のサポートもフル活用して客観的なブラッシュアップを図ることが採択への近道です。
本補助金への応募を通じて、自社の経営を改めて見直すことはとても良い経験になると断言できます。私自身、申請を機に自社の課題と真摯に向き合い、補助事業を通じて課題解決に取り組んだことで大きな成長機会を得られました。
皆さんも「うちのような小さい商売に補助金なんて…」と思わず、ぜひ挑戦してみてください。現在、会社に何かしらの課題意識をお持ちであれば、持続化補助金はそれを形にする絶好のチャンスです。
使える制度は遠慮なく使って、負けないスモールビジネスを一緒に目指しましょう!
お気軽にご相談ください!
補助金申請に不安がある方、計画書のブラッシュアップをしたい方は、ぜひ専門家や支援機関に相談してみてください。
私も中小企業診断士として補助金申請の支援実績が複数あり、読者の皆様の心強いパートナーになれると思います。
ご相談・お問い合わせは、当サイトのお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

最後までお読みいただきありがとうございました。あなたのスモールビジネスの挑戦が成功することを応援しています!
(参考)公式情報への外部リンク
- 中小企業庁プレスリリース:「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>(第17回)」申請受付開始のお知らせchusho.meti.go.jp
- 全国商工会連合会 持続化補助金<一般型>公式サイトshokokai.or.jp(最新公募要領や様式集はこちら)
- 小規模事業者持続化補助金 申請システム(jGrantsポータル)jizokuka-portal.info
- 経済産業省ミラサポplus 解説記事「経営計画・補助事業計画書の書き方」mirasapo-plus.go.jpmirasapo-plus.go.jp