令和5年度中小企業診断士試験に合格するまで【1次試験編】
こんにちは。そうさんです。
私は令和4年度(2022年度)の中小企業診断士試験で1次試験のみ合格し、翌令和5年度(2023年度)試験で2次試験に合格しました。
前職退職時の有給消化期間を勉強に充てられた一方で、一次試験の1週間前に第2子が誕生したり、2次試験の直前期に長女がインフルエンザに罹ったりと、波乱万丈な受験期間でした。
しかしながら、産前産後で大変な時期にも関わらず、私の転職・試験勉強を応援してくれた妻のためにも必ず合格するというモチベーションが支えとなり、合格に至ったと感じています。
今回は、中小企業診断士の資格取得において、仕事・育児等との両立でも合格できた方法を紹介します。同じような境遇で、これから勉強を始めるOR勉強中の方に少しでも参考になれば幸いです!
試験の概要
試験は1次試験7科目(マークシート)、2次試験4科目(記述)、2次試験(口述)の3段階で合計4日間かけて行われます。
1次試験の科目は以下の通りです。
1次試験範囲|7科目
・1日目
(1)経済学・経済政策 ー60分
(2)財務・会計 ー60分
(3)企業経営理論 ー90分
(4)運営管理 ー90分
・2日目
(5)経営法務 ー60分
(6)経営情報システム ー60分
(7)中小企業経営・政策 ー90分
また、合格基準は以下のように定められています。
(1) 第1次試験の合格基準は、総点数の 60% 以上であって、かつ1科目でも満点の40% 未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。
(2) 科目合格基準は、満点の 60% を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。
全て100点満点なので、700点満点の60%、つまり合計420点が合格基準。これに加えて40点未満の科目がないことも必須ということですね!
合格基準を満たせなくても、科目合格の制度がある。それが(2)の部分よ!60点以上の科目が科目合格になって、2年間持ち越すことができるの!
科目合格は一長一短で、例えば得意科目で80点、苦手科目で40点の合計120点/200点だと60%で合格。だけど、苦手科目だけ後回しにすると確実に60点以上取らないと合格できなくてキツくなったりするんですよね・・戦略が重要・・・
私は短期集中の学習スタイルが向いていて(≒長期間のモチベーションの維持が苦手)、多年度受験だと苦手科目を後回しして苦労しそうだったので、全科目合格を目指しました。
結果的に初っ端緊張して力を発揮できず44点だった経済学・経済政策を他科目でカバーして合格することができました。
独学か通信か通学か
次に検討したのは何を使って勉強するかでした。主な手段は①独学②通信③通学ですので、それぞれを思いつく切り口に分けて検討しました。
私は転職と妻の出産を控えていたため①自由度の高い学習スタイル②効率重視で勉強時間を極小化の2点を重視しました。
項目 | 独学 | 通信 | 通学 |
---|---|---|---|
教材 | 市販書籍 | 独自教材、過去問、演習問題 | 独自教材、過去問、ミニテスト、模試 |
カリキュラム | 自分で決める | ガイドラインに沿いながら自分で決める | 作成済のカリキュラムに従う |
学び方 | 解説テキスト→演習テキスト→過去問 | 講義動画、演習問題(採点とFBあり) | 教室での講義、オンライン授業もあるため通信と似ている |
質問 | できない | メール等で可能 | タイムリーに先生に可能 |
場所 | どこでも | どこでも | 授業は教室、自己学習は自習室あり |
コスト | ◎ | 〇 | △ |
モチベーション維持 | △ | 〇 | ◎ |
自由度 | ◎ | ◎ | △ |
勉強効率 | △ | 〇 | ◎ |
「モチベーション維持」「勉強効率」を何とかできれば通信が一番合っている気がする・・
モチベーションは資格を取る目的がはっきりしているんだから大丈夫なんじゃない?勉強効率は通信講義を1.5倍速で見たり、自由度を活かして隙間時間を徹底的に利用すればカバーできるはず!
以上の検討を踏まえ、最終的に通信講座を選択し、補完として過去問書籍を購入しました。それぞれの事情があると思うので、メリデメを洗い出して納得のいく選択をすることが重要かと思います!
どこの通信講座を利用するか
私は①「隙間時間に学べるスマホ講座」をコンセプトにしている②合格率が業界最高水準③業界最安値(2022年当時)という理由からStudyingさんの通信講座を選択しました。
過去に宅建士の資格をTAC(通学塾)で取得した時と比較すると、講師力(話し方・わかりやすさ)はやや劣るものの、教材が充実していたため十分補完できました。
費用も1/5程度だったので、社会人受験者にはおすすめかなと思いました。
講座内容
1次基礎講座
実戦フォローアップ講座
+スマート問題集/セレクト過去問
+年度別過去問題集(直近5年+最新年度)
+合格戦略講座・簿記入門講座
2次基礎講座
2次合格メソッド講座
2次事例Ⅳ演習講座
+学習Q&Aチケット5枚
勉強時間は?
通信講座(260時間)
私の勉強時間は大体600時間程度でした!内訳は以下の通りです。各種資格学校で示されている目安時間が800~1000時間のため、効率的に合格できたと振り返っています。)
Studyingの講座は勉強時間が以下の通り記録され、以下の通り260時間程度でした。1.5倍速での講義視聴と演習問題の合算時間です。
TACの初学者向け講義時間が108回×150分で270時間(+演習等の自主学習)で、比較すると時短で学習できたと思います。
市販書籍(280時間)
こちらは主に過去問演習として使用。Studyingの過去問は5年分に対し、以下画像の過去問完全マスターは10年分収録で、論点ごとに仕分けされた問題がA~Cの重要度にカテゴライズされており、優先順位をつけて学習できました。
重要度Aの論点から解き、間違った問題は2周目・3周目と繰り返しました。Studyingの学習を終えてから取り組んだため、比較的スムーズに進み、1科目40時間程度×7科目で280時間程度の学習時間でした。
1次試験では過去問に似た問題が一定程度出題されるため、講義を受けて内容を把握してからは過去問中心の学習+苦手論点の講義を再受講することがおすすめです。
また、1次試験は絶対評価(上位〇%が合格ではなく、60点以上は全員合格)のため、頻出論点の優先度を高め、逆に難解なマイナー論点は切り捨てる判断も重要です。
その他(60時間)
直前期は各種ブログ、YOUTUBE等で出題予想や関連問題等の情報が増えてきました。何となく不安に駆られ寝られなくなり、夜布団の中でネットサーフィンをして夜更かしした時間が60時間程度はあったかと思います・・(振り返ると予想は予想でしかなく、結果的に合否にはあまり影響しなかったです)
まとめ
サラリーマンという大きい組織の歯車から、家業の経営に転身するにあたり、経営の基礎を学びたいという動機から始めた中小企業診断士の勉強でしたが、現在とても役に立っています。
今後の記事にする予定ですが、自社で持続化補助金の申請をして店舗改装をしたり、店舗毎の差別化を図ったり、日々の業務で活きることが多いです。
資格取得はスタート地点に過ぎませんが、経営を体系的に学ぶツールとして中小企業診断士の学習は有意義と思うので、検討している方には是非おすすめしたいです!